きれいなだけじゃない紫野菜のパワー

人参 コラム

紫色の野菜を見かける機会が、増えた気がしませんか。

我が家では野菜のほとんどを近くの農家直売を利用しており、お散歩がてらいくつか巡るとポピュラーな紫玉ねぎや紫キャベツだけでなく、赤大根や紅芯大根、紫人参、紫かぶ、紫ブロッコリー、紫カリフラワーなどを手に入れることができます。

どんな料理になるの?と思われるかもしれませんが、おナスや紫芋でしたら思い浮かぶのではないでしょうか。「紫色」があると食卓が一気に華やぎます。

この紫野菜たち、きれいなだけではありません。すごいパワーがあるんですよ!

紫色はブルーベリーの栄養素としてよく知られている、赤、青、紫の水溶性色素である「アントシアニン」です。目の疲労を和らげ、視力の低下防止や視力向上の働きをすると聞いたことがありませんか?

アントシアニンは、目の中の網膜にあるロドプシンという物質の再合成を助ける作用があるのです。ロドプシンは目を使っていると徐々に分解されますが、通常はすぐに再合成されます。ところが目を酷使ししているとその再合成が間に合わなくなるため、目の疲れを感じます。そこでロドプシンの再合成を助けるアントシアニンを摂取することが、目の感度を向上させると期待されています。

私がメディカルハーブの勉強をしていた時に伺った話では、第2次世界大戦中、夜間でも敵機がよく見え戦果をあげていた英国パイロットが、ブルーベリーを食べていたことから目との関係を調べる研究が始まったそうです。

アントシアニンは抗酸化物質で、体内の活性酸素を抑制し、エイジングケアや、血行促進や血管を強くして動脈硬化の予防にもいいので意識して摂りたい栄養成分です。熱に非常に強い成分ですから、加熱調理しても成分の質は変わらず、効能はそのままなのは扱いやすい点です。

ただ、アントシアニンは加熱するとこのきれいな色が抜けてしまうので、私はできるだけ生で使います。あるいは、さっと蒸すか炒める程度にしています。

ラボがある清瀬は、東京都内生産量・出荷量No. 1の「人参」の町。一般的なオレンジ色を中心に黄色、濃橙色、紫色、黒色と色も豊富です。
今回ご紹介している「紫人参」は皮厚さ2mmほど紫色が濃く、切るとたちまちまな板が濃い紫色に染まり最初は驚きました!皮は剥かずに調理しようと思いれんこんとキンピラにしたところレンコンに紫色が移り、思いの外きれいな仕上がりになりました。普通の人参より甘味があるので、キャロットラペも良いですね。

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