美容だけではない ローズウォーターの使い方

ブルガリアンローズ アロマ

ローズは、香りの歴史を語る時、欠かせない植物の一つです。
ギリシャ神話にも登場し、芳香を楽しむだけでなく、宗教的にも、美容や医療としても幅広く使用されてきたことが窺えます。どんな魅力があるのでしょうか。

クレオパトラのローズに纏わるエピソードは有名ですが、カエサルやアントニウスを迎え入れる際、ふんだんに生花を用いて香りでもてなしをしたことが知られています。また、邦画「テルマエ・ロマエ」ではローマ皇帝・​ハドリアヌスがローズの生花を贅沢に用いた入浴シーンやローズの噴水が描かれていることから、香りの効能だけでなく、富や権力の象徴としても好まれていたのでしょう。

花の女王とも言われるローズは、数多くの品種が開発され続けており、現在1万を超える種類があります。
香るものは多数ありますが、香料が採取できる種類は僅かです。産地ごとにダマスクローズ、ブルガリアンローズ、ターキッシュローズなどと呼ばれますが、Rosa damasceneという学名で表記されるものがほとんどです。

ローズの芳香成分の採油方法は、一般的には「水蒸気蒸留法」と「有機溶剤抽出法」の2つがあります。前者で採油された精油を「ローズオットー」、後者を「ローズアブソリュート」と記すのは、採油方法の違いと、それにより香料の成分構成も異なることを表しています。

本タイトルにある「ローズウォーター」は、このローズオットー精油を抽出する際に回収した芳香蒸留水のことです。芳香蒸留水は、フローラルウォーター、ハーブウォーター、ハイドロゾル、アクアロムなどいくつもの呼び名があり、脂溶性の精油と異なり水溶性成分のフェニルエチルアルコールが多く含まれるため、生花に近い香りを感じることができます。

芳香蒸留水はローズオットー精油の副産物だと捉える方もいらっしゃいますが、歴史的には違うのです。

採油技術の確立よりはるか前の古代から芳香蒸留水は使われていて、そのほとんどがローズウォーターだったのです。採油技術の歴史を遡ると10世紀にアラビアで本格的な蒸留技術が生まれ、11世紀に医師・イブン・シーナーが、蒸留法を進化させました。13世紀にローズの栽培が広がると同時に水冷却法が確立されたことで一気にローズウォーターの生産が伸び、次いでネロリのオレンジフラワーウォーター、カモミールやラベンダーなどローズ以外の芳香蒸留水も現れ、芳香蒸留水全盛期を迎えます。この頃はむしろ精油が芳香蒸留水の副産物とも言えます。ところが、香料産業の発展とともに精油の方が好まれるようになり徐々に芳香蒸留水の人気が衰退していきました。

古くは精油より重宝されていた芳香蒸留水ですが、使い方がわからない、という声もよく聞きます。ところがこの数年、海外セレブを中心にローズウォーターが凄いと話題になっています。

心身への効果効能は、「ローズオットー」「ローズアブソリュート」と同じ
とお考えいただければ良いですが、精油と違ってローズウォーターはそのまま使える点が最大の魅力です。

※一般的にローズに含まれる成分は、次のような働きを持っていると言われています。
・鎮静作用・抗うつ作用・抗菌作用・鎮痙作用・ホルモン調整作用
・食欲調整作用・神経強壮作用・抗不安作用・浄化作用・湿疹の緩和
・収斂作用・保湿作用・皮膚軟化作用・抗炎症作用

美容面がフォーカスされることが多いように、肌や髪に塗ったり、時には飲むことができます。その時、香りを深く感じてみてください。私たちは仕事、家事・育児、対人関係等、一人ひとり異なったストレスを抱えていますよね。ストレスのコントロールが乱れると心身に影響が出ますから、香りでストレスの受け止め方を緩めてみましょう。

最後に個人差があることを前置きして一例をお伝えします。アトピー性皮膚炎が持病の息子は、ローズオットーの香りが好きでした。本能的に必要なものを選んでいたのでしょう。吹き出物がありながら乾燥しがちな肌という思春期の頃は、自らローズウォーターを顔や体に使っていました。今でも日焼け後はこれを頼りにしています。

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ローズオットー精油を抽出する際に回収した芳香蒸留水です。精油と異なり水溶性成分のフェニルエチルアルコールが多く含まれるため、生花に近い香りを感じることができます。古くから美容や健康面で用いられています。【100ml、スプレータイプ】以外に、...
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